2024.01.26 Friday
火災に強い?省令準耐火構造とは?オトクになるメリットも解説
Category : お役立ちコラム
省令準耐火構造とは、どんな建物なの?火災に強そうな建物?そんな疑問をお持ちの方にピッタリの内容になっています。省令準耐火構造の具体的なポイント、そして省令準耐火構造のメリットやデメリットまでご紹介します。新築を考えている方に必見の内容です。
今回は、省令準耐火構造について分かりやすく紹介していきます。
家づくりを始めると、どこかで聞く単語でもある「省令準耐火」「省令準耐火構造」。
なんとなく火災に強い構造なのかな?というイメージのまま、詳しくはよく分からないという方にピッタリの内容になっています。
知っているとオトクなメリットや、一方のデメリットまで含めて解説をしていきます。
それでは、今回の記事の要点からみていきましょう。
1. 省令準耐火構造とは
省令準耐火構造とは、簡単に言えば一定の基準を満たした火災に強い家です。
正確には、住宅金融支援機構が定める防火基準に適合する住宅を指し、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造になっています。
最初に、この省令準耐火構造の目的から見ていきましょう。
1-1. 省令準耐火構造の目的
まず省令準耐火構造は、火災に強いとお伝えしましたが、この目的は「その家に住んでいる人が火災時に安全に逃げる時間を稼ぐような構造」と言い換えられます。
火事には2種類あり、隣からのもらい火による「隣家火災」と自分が出す火災「内部火災」があります。
省令準耐火構造の目的はこの2つの火災において逃げる時間を稼ぐことにあります。
隣家から出火する場合、自分で気を付けていても、火災は周りからもらってしまうことがあります。
火災において延焼、すなわち隣の家に燃え移る確率は、年度による違いがあるものの約3割~4割(消防庁によるデータ)となっています。
ここでの省令準耐火構造の目的は、自分の家に燃え移る時間を少なくすることで、逃げる時間を稼ぐことです。
そして2つ目は、自宅から出火してしまった時に、全体に燃え広がる時間を遅くするような目的もあり、いずれも目的としては「逃げる時間を稼ぐこと」になっています。
そのため、省令準耐火構造は燃えない構造ではなく、燃え広がりにくい構造である事がわかります。
1-2. 省令準耐火構造は延焼率を半減!
出典:日経クロステック
それでは省令準耐火構造にすることで、どれぐらい延焼率、すなわち隣の家に燃え移りにくくなるのか?
答えは、隣家への燃え移りを約半分にできます。
上記は消防庁のデータになっていますが、平成29年のデータの場合、一般的な木造と、省令準耐火に準ずる準耐火構造を比較すると、その延焼率は33%から14.8%に下がっています。
一度火があがってしまうと、なかなか止めることが難しい恐ろしい火災ですが、逃げる時間を稼ぐことで人命を最低限守ることが最優先とされます。
2. 省令準耐火構造の具体的な違い
一般的な家と、省令準耐火構造の違いは以下の通りです。
出典:フラット35
木造の場合、これらの条件を満たすことで、火災の延焼を防ぐことになります。
特に他の部屋に燃え広がりを遅くする、ファイヤーストップ構造と呼ばれる構造が特徴的です。
一般的には2×4(ツーバイフォー)工法で多く見られますが、在来軸組工法などでも採用できます。
3. 省令準耐火構造のメリットは2つ
省令準耐火構造のメリットは大きく2つあり、1つが建物の安全性向上、もう1つが火災保険の割引となります。
3-1. 建物の安全性向上により家族を守りやすい
省令準耐火構造を採用することで、建物の耐火性能が向上します。
この耐火性は、火災発生時に炎や煙の拡散を抑え、火災から逃れる時間を確保します。
これにより、住んでいる家族の安全を確保するだけでなく、燃え広がりの時間を稼ぐため、火災を鎮圧するための時間も生まれます。
そのため、火災による被害や危険性を最小限に抑え、建物内の安全を確保することができます。
3-2. 火災保険の割引
火災保険会社は、省令準耐火構造の建物に対して割引を提供しています。
なぜ割引になるのか?
それは、準耐火構造は火災時の被害を最小限に抑えるため、保険会社のリスクが低減されるからです。
保険会社は火災による損害を減らすことができると認識し、それに応じて保険料を割引しています。
一般的な住宅は、火災保険の算定上は「H構造」、省令準耐火構造の場合は「T構造」という分類になります。
例えば愛知県での火災保険の概算見積を見てみましょう。
・H構造(一般住宅)の場合:約18万円~約21万円
・T構造(省令準耐火構造を含む)の場合:約11~12万円
※いずれも5年契約の場合
※価格.comによる試算(23年11月時点)
上記を見て頂くと、省令準耐火構造の場合、火災保険が約半分になることがわかります。
この試算は5年ごとの試算になっているため、5年ごとの大きな出費が半額になる点は、かなり経済的な差が出てきますよね。
4. 省令準耐火構造のデメリットは建築コスト
省令準耐火構造の場合、ファイヤーストップ材などを追加したり、石膏ボードを一般住宅より多く使用することから建築コストが上がります。
ただし、このアップ額は100万円単位の大きな額ではないため、火災保険の割引によって十分、元が取れてしまうことが多いです。
そのため、比べてしまうとデメリットではあるものの、そこまで気にする必要はない要素となります。
また、延焼を防ぐ構造になっていることから、各部屋の仕切りなどに規定があることで、間取りプランに制限が掛かることも想定されます。
5. まとめ
統計上、人が一生で火災に遭う確率は4%と言われています。
元々、低い確率であるとは言え、一瞬で資産である家が大きな被害を受けてしまう火災。
省令準耐火構造は、この火災に対して「外部からの延焼防止」、「他室への延焼遅延」という対策が施されています。
これから新築を考えている方は、このような省令準耐火構造を標準で採用している住宅会社を選んでみると、火災保険の割引だけでなく家族を守ることにも繋がりやすいと言えます。
大信では、省令準耐火構造になっている建売も用意しておりますので、気になった方は愛知県西尾市の大信までご相談ください。